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お薦めの本

釣り師なら、ちゃんとした図鑑を一冊持っておきたいですね。
ポケット版も登場!
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怒りをもってプロジェクトXを観るのこと

プロジェクトX、好きな番組なんですが、このところおかしいですね。

今日の放送は、クロマグロ養殖のお話
苦労して養殖に挑んで、それがマグロの資源保護につながり、且つ我々の食卓に安く届くようになるならそれはいいことです。

しかし、マグロに限らず、現在行われている栽培漁業は、
大きな問題をはらんでいます。
そういった側面を語らず、ただ美談として伝えてそれでおしまい、というのでは片手落ちどころの騒ぎではありません。


番組のラストで、「もっと沢山人工飼育マグロを増やして、太平洋に放つのが夢だ」というナレーションが流れましたが、そんなことはあってはいけないことなんです。


かなり長文になってしまいましたが、それでもよろしければ続きをどうぞ↓
 
番組によれば、10万匹までマグロを増やしたとありましたが、
元々は、その親は24匹のマグロでした。

自然界の生物は、同じ種類の生物でも、一匹々々がそれぞれ多様な遺伝子(DNA)を持っていて、ふつう、同じ遺伝子を持つ個体同士が交配することなどまずあり得ません。
遺伝子が多様であれば、仮に何か致命的な病気が流行するなどしても、
必ず耐性を持つ個体が存在し、絶滅をまぬがれることが出来ます。

遺伝子の多様さ、というのは、自然界にあって、種の保存のために欠くことの出来ない重要な要素なのです。

ハマチ(ブリ)や、真鯛の養殖では、よくあるなんでもないような病気や寄生虫で、生け簀が丸ごと全滅するということが時々おこります。

これは、同じ親から生まれた魚を多数一緒に飼うことによって、起こることなんです。
自然界なら、一組の親からたとえ何万、何十万個もの卵が産まれても、大人になって繁殖に参加出来るまでに成長する個体は数匹で、その兄弟姉妹が出会ってつがいを組むことなどまず起こりません。
10万匹の個体がいれば、10万種類の遺伝子が存在する、ということなのです。


先ほどのマグロの例を挙げるなら、見た目の数は10万匹いたとしても、
遺伝子の多様性という観点から見たら、それは24匹でしか無いのです。
前者の数字を「集団の見かけの大きさ」、後者を「集団の有効な大きさ」と呼ぶらしいのですが、
有効な大きさを十分に用意出来ないのであれば、
たとえどんなに見かけの大きさを増やしても、それを自然界に放すのは、何かちょっとしたことで全滅してしまう、種の保存の観点から意味のない集団を沢山ばらまくということなのです。

しかも、意味がないだけならまだマシで、沢山の数の個体を放流することによって、元来そこに自然に生息していた多様な遺伝子を持った個体たちを、生存競争で淘汰してしまうおそれがあるわけです。
 
 
 
 
 
 
 
かつて、東京湾の風物詩といわれた釣りは、
浅瀬に脚立をたてて狙う、アオギス釣りでした。
船の影にもおびえる、臆病なアオギスを釣るために、
何時間も脚立の上で我慢する釣りです。

埋め立てによって、ほとんどの干潟が消滅し、生息場所を追われたアオギスは、
現在、東京湾ではほぼ絶滅したといわれています。
九州など、まだ、アオギスの残っている地域も若干はありますが・・・。
干潟に脚立を立てて、じっと我慢する釣りは、もう本の中でしか見られないものとなりました。

そして昨年、水産庁が東京湾の水質改善のシンボルとして、
東京湾にアオギスを放流する計画を発表しました。
職漁の対象としての飼育放流は今までありましたが、
釣り・・・遊漁の為の飼育放流を水産庁が手がけるということが異例だったため、
新聞などでも取り上げられました。

放流するためのアオギスは、おそらく九州から持ってくるより他に無いでしょう。
でも、同じアオギスという種でも、遺伝子の多様性という観点から見れば、
それは東京湾にいたものとは別のものです。

もしも・・・もしも仮に、東京湾にまだ東京湾固有のアオギスがいたとしたら・・・
九州のアオギスを繁殖して東京湾に放流するということは、東京湾固有のアオギスたちの息の根を止めるということになります。

同じアオギスなんだから、いいじゃないか・・・
そういう人もいるでしょう。
でも、自然の繁殖を繰り返す中で、生き物はその土地ごとに異なった淘汰が行われます。
東京湾には、東京湾に固有の病気や寄生虫、あるいは環境に適応したアオギスがいたわけです。
九州のアオギスは、九州の環境に適応したものなので、東京湾に放してもやがて淘汰されてしまうかもしれない危うい存在なのです。
しかも、大きく成長させた個体を、沢山放すことで、天然個体同士の繁殖の機会をきわめて少なくしてしまうことになるわけで、つまり、すべてが九州産の子孫になってしまう・・・結局、東京湾に固有のアオギスの遺伝子は残らない。
だから、「東京湾のアオギスの息の根を止める」と書いた訳です。

また、どこまで細かい話をするか、によって変わってくる話ではありますが、
すでに述べたように、同じ「種」の中でも、特徴の違うものがあるわけで、
同じ「種」だからみんな同じというわけでは無いわけです。
その違いが増えるにつれて、そろそろこれは別の種としようか、とか、これくらいなら同じ種に扱おうか、と線引きする基準というのは実はとても曖昧です。
「東京湾のアオギスがいなくなったら、九州のアオギスを持ってきたらええやん」というのは、
「釧路湿原のタンチョウヅルが絶滅したら、代わりにナベヅルでも放したらええやん」と言ってるのと変わりのないことかもしれないのです。


こういった反対意見を多数受けて、水産庁はアオギスの放流計画を撤回するに至りました。

アオギス:WEB魚図鑑より
http://ffish.nifty.com/zukan/mashtml/M000497_1.htm
 
 
 
 
 
 
 
現在、東京湾や相模湾で釣れる真鯛は、ほとんどが放流物か、その子孫であるといわれています。
茨城でも、釣れたヒラメは、ほとんどが裏側も表と同じ褐色をしています。
「放流して、増やす」は、これまで美談としてしか、扱われていませんでしたが、
こういった、重い問題を抱えているのです。


で、今日のプロジェクトXの最後のセリフ。
「沢山増やして、いつか太平洋に放ちたい・・・」
背筋が寒くなりました。
必要も無いのに、放流なんてするべきではありません。
ただでさえ、きちんと管理して養殖されるのならいいのですが、
実際には台風のたびに大量に逃がしてしまうなんてことが当たり前に繰り返されています。
養殖をする人たちが、放流についての問題点を何らかえりみないとしたら、恐ろしいことです。
養殖でマグロを作れるようになったのなら、天然物の漁を何年か休むとか、
漁獲規制をして、自然に増えるのを待てばいいのです。
 
私から見れば、ブラックバスの密放流を平然と繰り返す馬鹿者たちと同じ次元にしか思えません。


参考《■放流■それはマダイの悲鳴である!のかもしれない 小西英人》
http://ffish.nifty.com/zukan/hideto/gyogyo/gyogyo4.htm

at 00:33, , 日記・コラム・つぶやき

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すいさんWatch, 2005/07/12 4:18 PM

というか、水産に関する話題を含んだブログなのですけど。いくつか。 ■心天(ところてん) 地域によっては、いい子供の小遣い稼ぎだったのでしょうか?。そういえば昔は○○名人(または○○博士)というのが、必ずクラスにいたような気がします。 ■まさか☆ほんとに漁師